二律背反問題とは、例えば自動車において、スピード(速度)を上げようとすると、ガソリンの消費量(エネルギー消費)が増大してしまうといった、ある側面Aを改良しようとすると、別の側面Bが悪くなるといった問題である。 TRIZでは、こうした2つのパラメータが共に、最良の解決策になるような創造的なアイデアを得ようとしている。過去の優れた革新的発明や各国の特許などを研究すると、そういった二律背反の矛盾を解消するための様々な方法が明らかになる。 つまり、そうした過去の技術的矛盾(例えばこの場合は、速度対エネルギー消費)を解決した事例から発明原理(アイデアの着眼点)を導き出し、それを応用して、現在、自分たちが直面している問題の解決のためのアイデア発想のヒントとしようとするものである。 |
TRIZの基本的考え方 |
|
1.革新的問題には必ず一つ以上の技術的矛盾が含まれている。 それを解決したものが発明であり特許である 2.革新的問題解決とは、抱えている技術矛盾を解決することである 革新的問題解決のためには、新しい手段や方法の採用が必要である 3.革新的技術・発明のパターン 異分野における革新的問題も本質的には同様な技術矛盾を抱えている 様々な分野の問題解決のために同様な方法が過去に繰り返し活用されている 4.技術システムはS字カーブで進化する。 その進化には法則があり、いくつかのパターンに分類できる。 これを知れば将来の新商品開発コンセプト立案の参考になる |
TRIZによる二つの技術問題解決手法1.「物質―場」モデルで分析し、発明標準解を活用する 2.二律背反の技術矛盾として問題を定義し、矛盾解消マトリックスを活用し 発明原理をヒントにする |
|
TRIZによるアイディア発想のヒント1.40の発明原理を活用する → これはアイデア発想のよりどころとなる着眼点 2.異分野の事例を活用する → 様々な分野の知識データの活用が問題解決の鍵 3.技術進化のトレンドを活用する → 各進化の段階でのアイデアを活用する これは技術開発コンセプト立案の参考になる |
発明標準解と技術進化1.TRIZでは76の発明標準解を3段階のツリー状にリストアップ → これらを活用することによって技術問題を解くことができる
2.技術の進化は時代とともに、場や物質を順次変更してなされている → つまり発明標準解の一部は技術進化のトレンドを示しており、これを知ることにより、 新商品開発の狙うべき次のターゲットが見えてくる |